こんにちは!おかざき(@okazaki__shiho)です。現在、弊社のサービス「Pivot-Form」で、1人営業・マーケティングを担当しており、お客様へのヒアリングに対して、スキル向上の重要性を日々感じています。
しかし、練習相手がいないのが悩みでした。そんなとき、ChatGPTの「音声会話機能」がリリースされたと知り、「これでヒアリング練習ができるのでは?」と、思い立ちました。
実際に試してみると、想像以上にリアルなやりとりができてかなり勉強になりました。そこで、この記事では、ChatGPTを活用した実際のヒアリング練習をご紹介します。同じような1人営業・マーケティング担当の方々、練習相手に悩む方のご参考になれば嬉しいです。
このページの目次
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ヒアリング練習の具体例
まずは、実際のやりとりをご覧ください。
今回は業務内容や性格が異なる3パターンの人を指定して、試してみました。
例①:複数サイトを運営している元気なAさん
Webフォーム作成ツール「Pivot-Form」をご紹介していて、よくご相談いただくうちの一つが、企業サイトや採用サイト、事業サイトといった複数のサイトで活用できるかというご質問です。
そういった方に対応するべく、ChatGPTに「複数サイトを運営しているかつ、元気な方」になってもらいました。
営業担当(私):はじめまして、グランフェアズの岡崎と申します。この度は資料請求をいただきありがとうございます。複数サイトを運営されていると拝見しましたが、どのような目的でサイトを運営されていますか?
Aさん:こんにちは!そうなんですよ、趣味でブログを書いたり、小さなオンラインショップをいくつか運営しています。アクセス数が増えてきて、もっと効率的に管理できたらいいなと思っています。
営業担当(私):そうなんですね!サイト運営をさらに効率化するために、私たちの Pivot-Form が役立つかもしれません。複数のサイトで簡単にフォームを作成・管理でき、データの収集も一元化できます。もしよろしければ、一度お試しいただけませんか?
Aさん:お、それは便利そうですね!複数サイトのフォームを一元管理できるのは魅力的です。詳しい話を聞いてみたいので、デモをお願いできますか?
(中略)
元気な方ということで、実際もハキハキとしゃべってくれました。
こういった方だと営業のこちら側も話しやすくて助かりますよね。
また、ChatGPTの「音声会話機能」自体、聞いてから返答までにかかる時間が人間とほぼ同じ0.3秒とのことで、とても速い返答をしてくれます。このおかげで、素早い対応練習もできそうです。
私が提案内容にも詰まったときは「サポートしますね。」と言って、具体的な提案内容も教えてくれました。相手役も、サポート役もしてくれるのは、営業練習として本当にありがたいポイントです。
例②:アクセス解析に悩む内気なBさん
次にアクセス解析に悩んでいる方になってもらいました。これもよくいただく悩みです。
営業担当(私):この度は資料請求をいただきありがとうございます。現在、問い合わせフォームに関して何かお困りのことや課題があれば、お聞かせいただけますか?
Bさん:あ、こんにちは…。うーん、実は…今の問い合わせフォームなんですけど、アクセス解析が…十分にできていなくて…それがちょっと悩みですね。お客様がどの製品にどんな興味を持っているのか、もう少し具体的に知りたいんですが…。
営業担当(私):分かりました、アクセス解析が十分にできないことでどの商品に注目が集まっているのかが見えづらい、ということですね。それは確かに、マーケティングや営業活動において重要ですよね。Pivot-Formなら、フォームから得られたデータをしっかりと分類して、製品ごとの関心を把握することが可能です。どうでしょうか、少し興味がありますか?
Bさん:えっと…そうですね…その、具体的にどんなデータが見られるのかが分かれば…もう少しイメージしやすいかも…。
(中略)
こちらも、実際のお問い合わせでありそうな悩みだと思います。
実際の話し方もおとなしい雰囲気で話してくれましたが、相手になって答える前に「内向きな性格なので、少し躊躇しながら答えるかもしれませんね。」など説明を加えてくれたり、会話が終わった後のテキストでも「…」をところどころに入れてくれて、実際の会話内容を聞いていない方も相手の雰囲気が分かりやすいようにしてくれました。
ChrtGPT曰く、内気の方には「悩みに共感し、信頼関係を築くことが大切」だそうです。
例③:データ連携をしたい威圧的なCさん
そして、最後に威圧的なパターンをご紹介します。こういった相手こそ、練習しておかなくてはいけないのかもしれません…。
やりとりとしては非常に面白かったので、こちらは全文書いてみました。
営業担当(私):初めまして、グランフェアズの岡崎と申します。先ほど弊社のWebフォーム作成ツール「Pivot-Form」の資料をダウンロードいただいた、C様でお間違いないでしょうか。
Cさん:ああ、そうですね。ダウンロードしましたが、それが何か?
営業担当(私):この度はダウンロードいただきありがとうございます。 先ほどメールもさせていただいたんですが、 お時間よろしければいくつかお伺いしたい点がございます。 よろしいでしょうか。
Cさん:まあ、手短にお願いしますよ。時間はあまりありませんから。
営業担当(私):では早速弊社のサービスがオンプレミス型のウェブフォーム作成ツールとなるのですが、どのようなサイトの導入をご検討されていますでしょうか?
Cさん:導入するかどうかもまだ決めていません。とりあえず資料を見ただけなので。価格は高いんですか?
営業担当(私):価格については、標準は132万円となります。ほかにカスタマイズが含まれる場合、こちらからのご提案となるのでお打ち合わせが必要なんですが…。
Cさん:132万円ですか!中小企業にはちょっと高すぎますね。もっと手頃なものを探しているんですよ。
営業担当(私):ありがとうございます。 そうですね、他にはライトプランもありまして、 11万円で買い切りのものがございます。
Cさん:ほう、それなら少し現実的かもしれませんね。で、そのライトプランには何が含まれているんです?
営業担当(私):5フォーム・5ユーザーが使えるものとなっております。
Cさん:5ユーザーですか。 もう少しユーザー数が多いプランはないんですか?
営業担当(私):ユーザー数を増やすとなると、こちらの方で検討させていただけたらと思います。
Cさん:なるほど、それなら考えてみてもいいかもしれません。ただ、他社と比較してから決めますので。
営業担当(私):ありがとうございます。ちなみに何人ほどご予定されてますでしょうか?
Cさん:だいたい20人くらいですね。その規模で使えるプランがあればいいんですが。
営業担当(私):どういう使い方をしたいっていうのはありますでしょうか?
Cさん:今のところ、問い合わせフォームや予約フォームを検討しています。データ連携などが簡単にカスタマイズできて、セキュリティもしっかりしているものが理想ですね。
営業担当(私):では、打ち合わせでいろいろお話できたらと思いますので、 オンラインにて打ち合わせのお時間をいただくことは可能でしょうか。
Cさん:オンラインミーティングですか。まあ、それなら都合がつくかもしれませんね。候補日時を送ってもらえますか?
営業担当(私):はい、わかりました。メールの方がよろしいですかね。もしくは、今、口頭でもお伝えできますが。
Cさん:メールでお願いします。口頭だと忘れてしまいそうなので。
営業担当(私):ではまた改めて私の方から日時を送らせていただきますね。本日はお時間いただきありがとうございました。
Cさん:こちらこそ、わざわざありがとうございます。では、メールをお待ちしています。
どうでしょうか。実際にいますよね、こういう方。
「それが何か?」や「導入するかどうかもまだ決めていません。とりあえず資料を見ただけなので。」など、煽りスキルが高いです。
実際のやりとりでは、かなり口調も面倒くさそうに話してくれて、リアリティがありました。
使おうと思ったきっかけ・感想
SNSで機能のリリース投稿を多く見たり、以下のように記事を読んで興味が湧いたためです。
米オープンAIは24日、対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」に、新たな音声対話機能を導入すると発表した。応答速度を大幅に改善させ、人間を相手にしているかのように滑らかにAIと会話することが可能になるとしている。日本語にも対応する。
チャットGPTに新たな音声対話機能、人間並みの会話が可能に…日本語にも対応 : 読売新聞オンライン
新機能は「アドバンスドボイスモード」の名称で、24日から有料会員向けに順次提供を開始する。従来機能では音声による回答に3~5秒かかっていたが、新機能では人間とほぼ同じ0.3秒で回答できるという。発音やアクセントをより自然なものに改善し、感情的な表現も可能になった。
日本語や英語など50以上の言語に対応し、合計9つの声色からAIの音声を選択できる。当面、利用回数などに一定の上限が設けられる。将来的にはスマートフォンのカメラで撮影した文字や文章を理解して、音声で回答する機能も導入する方針だ。
おこなってみた感想としても、実際の電話対応にかなり近い印象でした。
いろんなパターンを指定して試せるところも、助かる点です。今後もAIと練習を続けられたら、実際のクライアントにヒアリングをする前に少しは自信がつきそうです。
そのほか、性格がイメージしやすい実在する人を設定してみてもいいかもしれませんね。
「音声会話機能」の使い方
方法
「ChatGPT」アプリからの場合、以下のような手順で使うことができます(iPhoneの場合)。
- ログイン後、右下のアイコンをタップ
- 音声を選択、下の [完了] ボタンをクリック
- 話しかける ※右上の設定アイコンから音声の変更可能
設定のコツ
営業のヒアリング練習でChatGPTに役割を与えるにあたって、ChatGPT自身にコツを聞いてみました。
1.キャラクター詳細の設定
性格(例: 威圧的、慎重)、背景(役職や過去の経験)、ゴール(懸念事項)を具体的に決める。
2.懸念・課題の設定
相手が抱える技術面、コスト面、人的な不安などを考慮し、リアルなやり取りにする。
3.態度・話し方の特徴
どんなトーンで話すか(威圧的、皮肉交じりなど)を設定して現実的な練習にする。
4.シナリオと目的の明確化
商談のフェーズや特定のテーマを設定し、目的(例: 信頼構築、反論対応)を明確に。
5.柔軟な対応の練習
キャラクターの態度が変化する設定をして、状況の変化に柔軟に対応するスキルを磨く。
具体的な指示例
- 「あなたは、データ連携に興味があるが、過去のトラブルで慎重になっている技術責任者のCさんです。威圧的に質問を重ねながら、リスクを徹底的に排除したいと考えています。私の提案に対して不安や懸念を表明し、導入に慎重である様子を見せてください。」
- 「あなたは、経費を非常に厳しくチェックする上層部の意向を反映して、コストに関して強い関心を持っている営業部長です。できるだけ私の提案を疑い、競合と比較して欠点を見つけようとしています。」
具体的な指示を与えれば与えるほど、その内容に沿った発言をしてくれそうです。また、そもそもの設定に悩んだ際も、ChatGPTなどのAIと壁打ちしてみてもいいかもしれませんね。
注意点
最後に以下の点は注意が必要です。
- 2024年10月時点では、有料プランのユーザーのみ利用できます。
- 個人情報やセンシティブな情報を話す場合は注意してください。
- 一日の使用量に制限が設けられています。変動するものとされており、制限15分前には通知が届きます。使い過ぎには気をつけてください。
まとめ・結論
営業にとって、ロールプレイングなどの練習は必要不可決なものです。
ただ、人を相手に練習してもらおうとすると、自分も相手も時間を使わなくてはいけず、なかなか予定が合わないということも多いのではないでしょうか?
その点、AIであれば自分の空いているタイミングで、気を遣わずに練習することができます。
また、今回ご紹介したヒアリング練習以外にも、英会話練習や雑談相手としても活用できそうですね。
この記事を読んで、実際に使ってみたい!と思った方がいましたら嬉しいです。
実際に使ってみて感じたことや、新たな有効的な使い方などがあれば、ぜひ教えてください!