検索エンジンに強いWebサイトを作ることがとても大事だ、ということを否定する制作会社はないと思いますが、実際にWebサイトを作っている(デザイナーやプログラマーといった)人たちの大半は、SEOを自分の仕事だと思っていませんw。
それどころか、どちらかというとSEOという言葉にネガティブな印象さえ持っています。多分その人は、正しいhtmlを書く、ちゃんとしたマークアップエンジニアでしょう。そう、きっと仕事ができるいい人です。じゃなんでそうなっちゃったのか。思うに、
- 一つ、制作現場がやるSEO対策(いわゆる内部施策)は小手先のチップスが多く、いびつなリンク一覧の設置やら隠しテキストやら大量のキーワードの埋め込みやらで、とても正しい事とは思えないから正直やりたくない。
- もう一つ、モノを作る事が得意な人とモノを売る事が得意な人の脳みそは明らかに違っていて、「良くしたい」という思いは同じでも、大事にしているポイントが異なる。SEOは別の担当者がやることが多く、その2者は相容れない。
平たく言うと、制作者にとってSEOは怪しいから嫌いだということです。 業界ではこの図式、ぜんぜん違和感がないと思いますが、発注側から見るとけっこうびっくりするかもしれないですね。
そんなこんなで制作者はSEOをどこかほったらかしにして来た感があり、勉強不足な場合が多いです(自責の念も込めて)。 でも、時代は変わりました。制作者が嫌いなチップスはスパムとして扱われ今やNG。じゃ他に内部施策って何?TDKとかaltとかだけ?いえいえ、いろいろあるんですね「正しく」やれるSEO。
SEOは、良質なコンテンツの強化が一番有効。それに専門家も必要。でも彼らだけではできないことがあります。それが、制作者にしかできない技術的なSEO。だから、そこをおろそかにしてはダメだと思うのです。ということで前置きがだいぶ長いですが(;´Д`)、SEOが要件に入る場合に気を付けている技術的SEOをいくつか上げたいと思います。
重複ページに注意する
同一コンテンツや、一部のみが違う類似したページが複数ある場合は、重複ページとして認識されてページの評価が下がる。 意図的にそのようなページを作らないことはもちろんだが、意図せず重複ページになってしまうことがあるので注意が必要。
検索結果一覧でソート機能を付けた場合
検索結果一覧ページでソート機能を持たせた場合、並び順が違うだけの同内容のページが複数のURLで表示されるため、重複ページと認識されてしまう可能性がある。並べ替え機能を Ajax にすれば問題ないが、しない場合は canonical を設定して正規化する。
パラメータ付きで外から来る場合
キャンペーン広告やメルマガから流入する場合、URLにパラメータがくっついてくるケースが多い。この場合も同一ページに対し複数のURLが存在する事になるので、ランディングページに canonical を設定する。
サイト内のリンク構造を設計する
パンくずリストの設計
特にパンくずリストはクローラーに正しい階層構造を伝える意味でも、内部リンクを強化する意味でも重要。 どのページにリンクを集中させるか、例えば複数カテゴリにアサインされる商品の、商品詳細ページのパンくずはどうあるべきか、きちんと考えて設計する。
疑似静的URLの注意点
動的URLを静的化すると、検索エンジンに好かれやすい、目で見て分かりやすい、同一ページに複数のURLが発生することを防げるといったメリットがあるが、.htaccess でのリライト設定のみだと内部リンクの強化につながらない。動的に書き出される発リンク自体も疑似静的URLが出力されるように、プログラムを改修する。
ページネーション機能にも工夫を
ページネーション機能を付ける場合は、全てのページをインデックスさせるために、最初のページと最後のページへのリンクを常に表示する。これにより届きにくい最後のページまでクロールされやすくなる。この辺りは、デザイナーがデザインしたものをそのままコーディングしてしまうケースが多いから注意。
microdata 形式でマークアップしてクリック率を上げる
特定部位(例えばパンくずリスト)をmicrodata 形式で書くことで、Google の検索結果画面に「リッチスニペット」と呼ばれるパーツ(パンくずリストや商品画像、レビュー等)を表示させることができる。
対応していない結果に比べて目を引くし、ユーザはそれを見てサイトの中身を判断できるので、クリック率の向上につながる。htmlがやたらめったら長くなるのが難点だし実装はそれなりに手が掛かってしまうけど、競合がやっていない場合は特に差別化になっていい。
↓ちなみに、ほら。目立つw
まとめ
きちんと設計して、きちんと作れば、検索順位は上がる。長い間そこまで止まりでした。でもそれ以上にできることがあるんだと分かったら、SEOも俄然楽しく感じます。それに、IAとSEOはすごく緊密な関係にあると分かります。Webを作る人は「作ることを目的にしない」ことで、もっと価値を高めることができる。SEOを考えるのも、その一つかなと感じています。