僕は、自分の性格が気が短くていけないなー、と思うことがあります。ついこの間も、メンバーの前で取締役と言い合いになって、場と言い方を深く反省したことがありました。。。
そんな僕(?)ですが思うところがあり、自戒の念を込めて、ある記事について書き残しておくことにしました。
ワタミの赤字決算とチームビルディング
先日、居酒屋チェーンワタミが、2014年3月期の最終損益が49億円の赤字であったことを発表しました。1996年に株式を上場して以来、初めての赤字決算です。
どうしてそんなことになったかと言うと、収益性が低下した国内店舗などの減損損失を計上したことが一因のようです。桑原社長も、全店舗の約1割に当たる60店舗を閉鎖すると言っています。
今、外食や小売業界では、深刻な人手不足が生じています。時給を1,500円にしても、なかなか人が集まらないそうです。ワタミの既存店閉鎖にも、労働環境を問題視する報道や情報が数多く流れ、人材確保に苦労している一面がありそうです。
そんなニュースに触れ、以前から気になっていたことが、ふと頭に浮かびました。それは、2012年11月8日(この日は僕の誕生日でした。)に、東洋経済に掲載された記事についてでした。
- 渡邉会長の常勤復帰で見えたワタミのリスク
東洋経済ONLINE2012年11月8日掲載
内容は、中間決算発表会見での質疑応答です。この記事中の渡邉会長の発言に、少々ひっかかることがあり、ずっと気になっていました。
リーダーが言ってはいけないこと
会見の中で、渡邉会長は復帰理由について、「 先日彼らが作った中期経営計画は全然ダメなもので・・・」と言っています。つまり、桑原豊社長以下、現経営陣が作った計画がまったくダメだから、自分が復帰しなければ仕方がないと言っているのです。
僕は、ここに本質的な問題点があると感じました。 それは、自分が任せたチームの作ったものに対して、全然ダメだ、と社外に向かって言ってしまう感覚です。
主君の裏切り!?
社内向けについ口走ってしまうことはあるかもしれません。僕も頭に血がのぼると、そういうことを言ってしまうことがないとは言い切れません。先日もそんなことがありましたし。。。しかし、公的な外向けの場で、チームの完全否定はいけません。言われた方はずいぶん悲しい気持ちになったでしょう。
僕も、実際に言われた側になったことがあります。その時の気持ちは、まさしく主君に裏切られた気持ちでした。それ以来、その相手を信頼できなくなっていきました。
ワタミの一連の流れを、2012年から今日まで2年弱のタイムラインで見てみると、ワタミの現状はこの主君の裏切りに起因しているのでは、と思ったりします。僕も他人事ではありません。
グランフェアズ流チームビルディング
ワタミの一連の流れを受けて、チームビルディングについて、僕なりに改めて考えなおしてみました。グランフェアズの仕組み上、ここが一番の肝なので、熱くなってしまうかもしれません。もし、政治屋の方針演説みたいになっていたら、その時は遠慮無くページから離脱してくださいm(_ _)m
リーダーはチームを信じる
信頼関係が脆弱なチームでは、決していい仕事はできません。自分が信じたチームなら、最後は自分が責任を取る覚悟で、そのチームのやることも信じ任せるべきですよね。チームに責任を押し付けたり、責任を取れるかどうかを問うても、メンバーのやる気を削ぐだけで非生産的です。チームが間違った方向へ行こうとしているなら、そっちは間違っているからこっちへ行こう!と根拠・理由とともに、方向性を示すことがリーダーの役割なんだと思います。リーダーはチームの羅針盤であるべきで、間違ってもヤジを飛ばさないようにしたいものです。。。改めて自戒の念を込め、肝に命じておきたいと思います。(実際、前述のとおり、最近でも反省すべき振る舞いもあったので。。。)
全員がリーダーになる仕組み
一方、リーダーというものへの認識ですが、誰かがやってくれるものだ、というのも違います。話やプロジェクトをリードする人がリーダーで、メンバーは話を聞いている人という関係になるのは、まあ普通のことです。しかし、強いチームを形作っていくには、メンバー個人個人が自分で考えて行動していく必要があります。全員がリーダー的な心構えを持って、チーム全体に貢献しようとすることが大切です。
グランフェアズの基本スタイル
グランフェアズでは、「チームのために何が提供できるのか」を、常に考えてもらうようにしています。自分がチームで役割を果たし、他のメンバーの動きを頭に入れながらパスを出し合って連携する。これが、グランフェアズの基本スタイルです。メンバーはみんな、場面場面でそれぞれの得意なスキルを使って、チームをリードしていきます。自分が担当しているフェーズでは、自分がリーダーという仕組みです。(この仕組みを活かすために、「コラボG」というプロジェクト管理ツールを使っているのですが、また別のブログに書きますね。)
この仕組みのデメリット
ただ、この仕組みのデメリットもあります。それは、野球で言えば、外野手がいない仕組みだということです。つまり、担当メンバーがトンネル(ミス)をした場合、ボールをカバーしてくれる(フォローをしてくれる)メンバーもいない、ということです。ピッチャー、キャッチャー(取締役)がそのボールを拾いにいくことになるので、企業としてのリスクは大きいです。
僕はグランフェアズを、守る(既得権益を)チームではなく、攻める(作り出す)チームにしたいと思っていました。だから、リスクはあるのですが、「作り出す・切り開く」ことに力点を置いた仕組みを選びました。
人を集めるだけではチームはできない
単に人が集まっただけの集団は、「チーム」とは呼べません。重要なのは、チームとして機能していく考え方と仕組み、だと僕は考えています。そのための大前提は、この2つです。
- メンバー全員が当事者意識を持つこと
- お互いに助け合い、補いあうこと
チームを動かしているのは、この意識そのものと、意識が集まり同じ方向に向かうためのビジョン、そして、ビジョン達成に向けたそれぞれの役割を実行するための仕組みです。
新しい考え方は、コンフリクトから生まれる
僕たちは、それぞれが主体的にやろうと思っているから、自由に意見を言い合います。勢い余って、衝突することもあります。でも、それが新しい考え方・創意工夫を生み出すチャンスだと僕は思っています。衝突や摩擦を恐れて、相手の顔色ばかり見るようになると、チームの勢いは停滞してしまいます。
と同時に、失敗を恐れないこと、そして、他の失敗を受け入れることも、新しい局面を切り開くことになるのでは、と思っています。だから、まず僕自身が失敗を恐れないで、リスクを引き受けようと考え直すことにしました。自分の失敗も、メンバーの失敗も、冷静に受け止めなければなりません。
小さなチーム、大きな仕事
僕たちのような小さなチームであれば、アットホームなコミュニケーションを取っていくことが可能です。いろいろコンフリクトが起きても、チームの2つの大前提が崩れなければ、自分とは違う考え方も吸収しながら関係性を作っていくことができます。今も、お互いの個性や、弱みを、理解しあえていると思いますし。低成長が続き、不確実性が増している現在、個人プレーだけで道を切り開いていくのは難しいと感じています。だから、グランフェアズという、様々なスキルを持った人たちと連携できるチームを作ろうと思ったのです。
「チームをつくる」というスキルは、これからWebの世界で生き残っていくために必須の能力になっていくでしょう。小さなチームが大きな仕事をするには、チームビルディングが重要な要素です。僕も、ここに書いたことを常に振り返りながら、グランフェアズが関係者みんなにとって大切なチームであり続けることができるようにしていきたいと思います。
- グランフェアズでは、仲間を探しています。
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